トンブクツウ~ネマ 585Km (SS577Km)
昨日のブリーフィングで言われていた通り本当にきついコースだった。
その昔、モーリタニアからマリへ密入国者を強制送還する時に使った道を逆走する。
前半は強烈な暑さの中、例のフェシュフェシュに悩まされた。網の目状に入り組んだピスト。視界は最悪。キャメルハーブが150km続く。スピードメーターはずっと時速30kmくらいのところを指している。
あまりにも辛くて、心の底から試されているんだと感じていた。
精神力と体力だけではない・・・・。すべてにおいてあらゆる方向から試されていると真剣に思っていた。
辛かった。自分に負けたたくない。とても大変なことだったけれど、ひたすら我慢し、疑いを抱かず、ゴールすることだけを考えていた。
私よりずっと辛いはずの友川も、
「集中!」
と、何度も叫びながらハンドル握っている。
同じ時間、同じだけ戦っているはずなのに、友川は私よりずっと完成度の高い戦い方をしているような気がする。次々に現れる様々な障害に対しても、無慈悲に過ぎていく時間に対しても、友川は全身全霊の力を振り絞ってコースを攻略していく。
こんなにかっこいい友川の横顔を知っているのは私だけなのでろう。
戦い続けて残り100km・・・・。すっかり暗闇。
友川はそれまで踏みたくても踏めなかったアクセルを思い残すことのないように踏み続けている。
切なくなるくらいピリピリと、そして涙が出るくらい素晴らしい走りだった。
今日も笑いながら夕食をつつけるのは、友川の強靭な精神力のおかげだ。
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