ダカール~タンバクンダ 578km(SS275km)
レース初日。
やはり緊張している。朝食に何を食べたかも思い出せないくらいだ。
緊張するとおトイレに行きたくなるというのは本当だ。念のため、もう一度行っておくことにした。スタートまで15分ある。おトイレまで歩いて往復5分だとしても余裕だ。
・・・・・しかし、アフリカは侮れなかった。
個室から出ようとしたら。
「・・・・・あれ?」
ドアが開かない。
回転式のロックだったので右に回したり左に回したりを繰り返してみたが、ドアが開かないのだ。
「うそでしょーっ!!!!」
時計を見るとスタートまで10分を切っている。
ドアをどんどん叩きながら、英語、フランス語、日本語で
「誰か助けて!」と叫び続けてみたが、誰も来ない・・・・。
頭の中には、①ドアをよじ登る②ドアを蹴り壊す、の2つの選択しかない。
だって、スタートに間に合わなかったらどんなことになる?
怖くてその先は考えられなかった。とにかくここから脱出するしかないのだ。
「あ~~っ、も~~~っ!!!」
パニック寸前、誰かの声が聞こえた。
「落ち着いて!そこのドア、右に2回ロックを回したら開くから!」
私には天使の声に聞こえた。
2回?と思いながらも言われたとおりにすると、ドアは簡単に開いた。
「ありがとう!このお礼、今度会ったときにするから!」
そう言いながら猛ダッシュ!
で、ナビ席に戻ったのはスタート3分前!
こんな信じられないハプニングってある?私は笑いがこらえきれない。
おかげで、私の緊張はすっかりほぐれていた。
さて、いよいよスタート!気を引き締めなくては!
16キロ地点にある町中のポジウムを通過すると、206kmのリエゾンだ。それから今年初めてのSSへと続く。友川も私も、このリエゾンの間でマシーンに慣れないとならない。
恒例の儀式でもあるスタート前の固い握手。2人ともスタートできる幸福感を満喫しているせいか、車内の雰囲気は昨日の重いものと打って変わって、心地良かった。
レグ1のSSはサバンナ独特な地形の中、村々を通過する難易度の高いナビゲーション走行が強いられた。村には何本ものピストが迷走したようにひかれており、村の出口でどのピストを選ぶか、どれが正しいのか、カップを見ながら判断しないとならない。
CP1を通過後、どういうわけかオンコースよりかなり左のピストを走っていたようだ。どう見ても競技ルートではなかった。GPSでは次のポイントにしっかり矢印↑が向いていたので、コマ地図を無視して40キロほど走る。
思っていた通り、CP2の手前でオンコースに復帰した。
正直、復帰するまでの間は心の中がピリピリと苦かった。今日みたいなコース取りはミスコースというほどでもないが、危険を伴う場合が多い。初日から結構しびれた!
明日からは、もっともっと気を引き締めなければ!
初日の順位は86位。 友川はすぐにメタルクラッチにも慣れ、今日のコースを難なくこなした。
ポジウム・・・競技車両をお披露目する台
リエゾン・・・移動区間。
SS・・・・・・・・競技区間。ここの通過時間で順位が決まる。
CP・・・・・・・・コントロールポイント。
1日に何か所か設置されていてる。
通過しないと数時間のペナルティーが加算される。
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