タンバクンダ~カイエ 595Km(SS505km)
2番目の通過国であるマリ共和国に入った。
今日はハイスピードでの戦い。ドライビングテクニックと集中力が勝敗の鍵を握る。
前を走るマシーンが巻き上げるダストで視界が悪いうえ、容赦なく照りつける太陽で焼けるように暑い。車内の温度は50度を超えているに違いない・・・・。とにかく暑い。
私たちは脱水症状を恐れ、窓を開けて走る。
・・・・悲しいくらい息苦しかった。
スタートから順調だったにも関わらず、200km走ったあたりでGPSの機嫌が悪くなった。コマ図のGPSポイントを通過しても次のポイントまで自動で進まなくなった。通り過ぎると矢印が後ろ↓を指してしまう。次のポイントをルートブックから拾い出し、揺れるマシーンの中、手動で入力しなければならなくなった。ジェットコースターに乗って手のひらサイズの計算機で計算をさせられるような作業といえば簡単に想像がつくかと思う。
ラリコンの操作やルート指示の合間の入力作業・・・・。その上、夜間走行に入ると友川のドライビングに支障がないようにルートやダストの具合でフォグランプのハイとローを手元のスイッチで切り替えるという何とも複雑で厄介な作業を何百回と繰り返した。
無事に今日のコースを走り終えたときには、目も、肩も、腰も、神経も、体中のありとあらゆるパーツが「もう駄目だーっ!」と悲鳴をあげていた。久々にエネルギーを使い果たした感じだった。できることならこのまますぐに心も体も緩めてしまいたかった。しかし、今日はエアメカの受けられないマラソンステージだ。マシーンの整備を自分たちの手で行わなければならなかった。今、ここで緩めてしまったらもう一歩も動けなくなるに違いなかった。休まず動き続ける方がいい。
幸い友川の慎重な走りのおかげで増し締めや燃料補給などの簡単な作業にとどまった。簡単といっても燃料補給は手漕ぎで給油しなければならないので時間がかかった。
この後にようやくナビゲーターとしてやらなければならない作業を始める。ルート指示だけがナビの仕事ではないのだ。
パリダカのビバーク地はかなり広い。
各チームのテントサイト、オフィシャルサイト、競技者が食事をとるレストラン、メディアテント、医療テントなどが不規則に並んでいる。その中から今日のリザルトが張ってある場所を探しださなけらばならない。明日のスタート時間を割り出すためだ。・・・・・今日は体を引きずるようにズルズルと10分以上捜し歩いた。それから、ルートブックの何か所もの書き直しとチェック。メカニックへの報告書・・・・などなど時間のかかる作業ばかりを黙々とこなす。
・・・・結局、全てをやり終えて自分の寝袋に潜り込んだのは夜中の2時を回ったあたりだった。
・・・疲れた。
発電機の「ガーッ」という音、友川の寝息・・・・。
体中が重い。
・・・・目を閉じるとすぐに睡魔が襲ってきた。
睡魔の淵に落ちながら過った言葉。
「パリダカって、何?」
今はいいや・・・・。
・・・・ダカールの海を見たらきっと自分なりの答えが見つかるはずだから。
この記事初めて知りました💦感動しました💧凄かったんだね💧お疲れ様でした💧❤️
返信削除明美ちゃんお元気でしょうか?
今でも辛いなぁ💦だから友川真紀子で開けちゃたら😱🙌🙏
暇があったら連絡ください🙇
木村葉子です